No.69,No.70『僕は君たちに武器を配りたい』『武器としての決断思考』瀧本哲史


御無沙汰しております。
もともと本ブログはブログ名と同名のメールマガジンのバックナンバーを保存しておく場所で、多忙のため中断しておりましたが、素晴らしい本と出会えたのを機に2年ぶりに復活いたしました。
メルマガは休刊しましたが、これからは不定期に本ブログの更新をしていこうと思います。


さて、重い腰を上げざるを得なかった『僕武器』『武器決』、この2冊をまとめて紹介します。

本書を読まなくてもいい人

今後どんな社会変動があっても食っていけるだけの財産を築き上げた人
自分で自分のことを決めることが死にそうなくらいに苦痛な人
人のやらないことをやるなんてあり得ないという信条の持ち主の人


以上に該当しないすべての人は、この2冊を読みましょう。


瀧本 哲史¥ 1,890

瀧本 哲史¥ 861

著者と本の紹介


著者は東大法学部卒業後、現在債権法改正に関わっておられる内田貴先生の最初の助手となり、その後助手の道を蹴って名門戦略コンサルティングファームマッキンゼーに転職、独立してからは企業再建を手掛けたりエンジェル投資家として活躍したりしている人です。
現在は京都大学で「意思決定論」や「起業論」の講義も担当されています。
(twitterID=@ttakimoto)

そんな著者が『僕は君たちに武器を配りたい』(以下、『僕武器』)と『武器としての決断思考』(以下、『武器決』)で伝えたいのは、資本主義社会で生き抜く武器としての教養と考え方の大切さ。

これから激動する社会をサバイバルするための武器を手に入れたい人は必読!

本の内容


『僕武器』は資本主義のルールをシンプルにまとめ、資本主義社会で生き残るための武器=リベラル・アーツの意義について、
『武器決』はディベートのルール(著者は全日本ディベート連盟代表理事でもあります)を用いて、何をすべきか迷った時に決断する方法論をわかりやすく説明しています。
前者は資本主義社会における「武器」の重要性、後者はその武器(のうちのひとつ)の具体的な使い方を解説していると言えるでしょう。


資本主義は、人間の「より良いものをより多く欲しい」「同じものなら安いものがいい」という合理的な欲求をそのシステムの中に組み込んでいます。そのような社会においては、悪いもの=人に必要とされないものや同じもの(=コモディティ)で高いものは競争で淘汰されていきます。これは人間でも同じこと。他人に必要とされない人材や、誰でもできることしかできないのに給料だけ高い人材はこれからの社会で生き残ることはできません。


では社会に必要とされ、コモディティとして買い叩かれない人材になるにはどうしたらいいのか?


それこそがリベラル・アーツ=社会において自由に生きるための知識を身につけることであり、また、潜在的な需要を嗅ぎつけてそのニーズを満たす行動を実行する決断思考でしょう。


『僕武器』『武器決』は、自らの決断で道を切り開いてきた著者によるこれからの社会を生き抜くガイドブックと言えるでしょう。


実はぼくは著者と何度かお会いしたことがあります。初めてお会いしたのは去年の9月、ぼくが主催したツイッターのオフ会(京大のそばにある「串八」で串を食べまくろうぜオフ)でのことでした。頂いた名刺には名前とメールアドレスだけ。肩書きも所属も一切書かれてない真っ白の名刺は、著者が手に入れた自由を象徴するようで印象的でした。


さて、『僕武器』『武器決』を買うか買わないかはあなたの決断次第。


あなたは武器を手に取りたいか?


【評価】

【星5つ★★★★★】・・新書の最高ランク。読まないと損するレベル。

【評価の理由】

『僕武器』は資本主義のシステムを非常に明快に解説しており、そのようなシステムの中でどうすればいいかわかりやすい内容となっていること、『武器決』は意思決定の方法論を体系的かつ実践的に身につける内容となっており、他に類を見ない書籍となっているので、☆5つとしました。

瀧本 哲史¥ 1,890

瀧本 哲史¥ 861

No.68『「潜在能力」であらゆる問題が解決できる』 ポール・R・シーリィ

「潜在能力」であらゆる問題が解決できる―あなたの才能を目覚めさせる「ナチュラル・ブリリアンス・モデル」4ステップ
ポール・R. シーリィ
フォレスト出版
売り上げランキング: 5691
おすすめ度の平均: 4.5
4 可能性に気がつく
5 情報量に圧倒された。
5 フォトリーダーの方は是非!!
5 見えていそうで見えていなかったものが見えそうな気がするのです
4 なぜか地味


著者と本の紹介


おそらくこの本のタイトルを見て「いかがわしい・・・」と思った人はいるのではないでしょうか?
しかしその第一印象だけでこの本を手に取るのをやめてしまうのは、実にもったいないことです。

著者は「フォトリーディング」を開発した、ポール・R・シーリィ博士。
(参考:No.5 『あなたもいままでの10倍速く本が読める』 ポール・R・シーリィ)


この本はあなたが抱えている問題の本質を明らかにし、その問題を自力で解決する道を示してくれます。将来の進路で迷っていたり、人生で悩んでいたりする人は必読!

本の内容


この本ではナチュラル・ブリリアンス・モデルというものが紹介されています。これは、行き詰まりから脱出するためのモデルです。


1.解放
2.感知
3.反応
4.確認

の4ステップからなります。
特に私が感銘を受けた「反応」のステップについて、少し書いてみようと思います。


人が行き詰まるときは、ある状態に陥っています。どういう状態でしょうか?




人が行き詰まるときは、「ポジティブ要素(メリット)とネガティブ要素(メリット)の間で揺れている状態」にあります。「仕事で成功したいけど、愛する人とはどうもうまくいかない・・・」という女性について考えてみましょう。この本でパティーという名前で出てきます。

ポジティブ要素には現在のメリット(維持したい)と将来のメリット(手に入れたい)があります。
ネガティブ要素には現在のデメリット(消し去りたい)と将来のデメリット(避けたい)があります。

プライベートと仕事の両立ができなくて悩んでいるパティーに当てはめてみましょう。


・現在のメリット・・・愛情に満ちた関係
・将来のメリット・・・仕事での成功

・現在のデメリット・・・恋愛絡みのいざこざ
・将来のデメリット・・・仕事中心の人生


彼女はこれらのメリットとデメリットの間で揺れる結果、動けなくなっています。端的に言えば、キャリアV.S.家庭です。


ここで大切なことは、行き詰まったときにはまず「自分が何と何の間で揺れているのか」を明らかにすることです。


そしてその揺れを認めた上で、その揺れを徐々に鎮める行動をとること。この本にはいくつかその方法についても書かれています。ひとつは、「新たなオプションをつくり出すこと」です。2つのオプションの狭間で揺れている間は、なかなか他の選択肢があることに気づけません。しかし自分が「揺れている」ということを客観的に把握できれば、「なぜ自分が揺れているのか」ということに気づくことができ、その答えを出すことができたりします。


ちなみにパティーはどうしたか・・・?


それは、本書の178頁をご覧ください(笑)


以上に紹介した内容は、この本のほんの一部です。正直、この本はどうやって紹介すればいいかは結構悩みました。なぜなら内容があまりに濃いからです。

買ってみて、何度も読んで、実際に書かれているとおりにやってみて自分のモノにできれば、あなたの人生はきっと明るくなることと思います。


悩んでいる方には、この名著もお薦め!
<参考>No.51 『道は開ける』 デール・カーネギー


【評価】

【星5つ★★★★★】・・新書の最高ランク。読まないと損するレベル。

【評価の理由】

問題を解決するためのシンプルかつ効果的なメソッドを紹介しており、多くの人にとって役立つ内容となっているので、☆5つとしました。


「潜在能力」であらゆる問題が解決できる―あなたの才能を目覚めさせる「ナチュラル・ブリリアンス・モデル」4ステップ
ポール・R. シーリィ
フォレスト出版
売り上げランキング: 5691
おすすめ度の平均: 4.5
4 可能性に気がつく
5 情報量に圧倒された。
5 フォトリーダーの方は是非!!
5 見えていそうで見えていなかったものが見えそうな気がするのです
4 なぜか地味

No.67『カエルを食べてしまえ!』 ブライアン・トレーシー

カエルを食べてしまえ!
ブライアン トレーシー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 47356
おすすめ度の平均: 4.0
4 非常にバランスのとれた自己啓発、問題解決に関する本です。
4 It's Not Rocket Science
5 訳者のスキルにも脱帽
5 実践すれば結果が出ます。
5 すっきり

著者と本の紹介


こんばんは、lifecoachです。

まずこのタイトルに首をかしげた方がおられるのではないでしょうか?本の装丁を見ても、帯がなければ子ども向けの本と思ってしまうかもしれません。


著者のブライアン・トレーシーは、アメリカのトレーナー・コンサルタントです。高校を中退後数年間の肉体労働を経てセールスマンの職を得、ビジネス界でその才能を発揮し、大成功を収めます。現在は自己の成功の秘訣を伝授するセミナーを世界中で開催しています。この方の本は他にも有名なものがあるので、いずれご紹介すると思います。


ちなみに私がこの本を手に取ったのは、本田直之さんのオススメ本だったからです。
136頁とページ数は少ないですが、生産性を上げたいあなたにとってこの本に書いてあることはきっと役立ちます!

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No.66『なぜ、時間を生かせないのか』 田坂広志

なぜ、時間を生かせないのか―かけがえのない「人生の時間」に処する十の心得
田坂 広志
PHP研究所
売り上げランキング: 184682
おすすめ度の平均: 4.0
3 集中力で時間の「密度」を高めよう
4 仕事を「かけがえのない人生の時間」にするための心得を説く
4 かけがえのない人生をいかに生きるか
4 引用したい言葉がてんこ盛り
4 時間を活かすための問い方を学ぶ。

著者と本の紹介


著者の田坂広志さんは、多摩大学教授でソフィアバンク代表をしておられる方。
専門は社会起業家論で、良質なビジネス書の書き手です。

今日ご紹介する本は、6年前に出版されたもの。Amazonでももう新刊で手に入れることはできません(中古で安く手に入れられます)。
しかしこの本にはかけがえのない「時間」についての金言がいっぱいです。
時間を無駄にしてるな・・・と感じてる方へ。

本の内容

【目次】

第序話 なぜ、時間を生かせないのか―心得
第一話 いかにして「時間」を使うか―密度
第二話 いかにして「集中」をするか―夢中
第三話 いかにして「智恵」を学ぶか―感得
第四話 いかにして「経験」から学ぶか―反省
第五話 いかにして「反省」をするか―意味
第六話 いかにして「人間」から学ぶか―師匠
第七話 いかにして「自分」を見つけるか―個性
第八話 いかにして「関係」を築くか―自立
第九話 いかにして「成長」をするか―課題
第十話 いかにして「成功」を得るか―一瞬
終 話 かけがえのない「人生の時間」―覚悟

この本はよくあるタイムマネジメントのテクニックを書いた本ではありません。
かけがえのない「人生の時間」をいかに過ごすかについての心得を書いた本です。


「これからの時代には、時間を大切にして自己研鑽に励まなければ、競争に勝てないし、生き残れない」


時間は「資源」。昨今のタイムマネジメントについてのビジネス書に書いてありそうなことです。しかし著者はこのような考え方をしていては、本当の意味で「時間を生かす」ことはできないといいます。
なぜなら、「時間」とは、「単なる「資源」という意味を超えた「素晴らしい何か」だから」。「人生の時間」というものを本当に生かすためには、この言葉の意味を深く掴む必要があります。

そのためにはどうすればよいか。

「人生の時間」を処する「心得」を身に付けることです。
上の目次にあがっているのが、その10の「心得」。


少しだけ、ご紹介しましょう。

第一の心得 いかにして「時間」を使うか


著者によれば、タイムマネジメントのテクニックは以下の3つに集約されます。

1.以下にしてまとまった時間を生み出すか。
2.いかにしてこまぎれの時間を活用するか。
3.いかにして効率的・効果的に仕事を進めるか。


しかしこういった小手先の技術を学んだだけでは、時間を使えるようにはなりません。なぜなら、これらのテクニックはすべてすでに一流になった人が実践していることであり、一般の人がそのまま真似したところで基礎体力がないため、まるで使えないからです。

では、タイムマネジメントにおける基礎体力とは何か。

それは、集中力です。「時間は、誰にも平等に与えられている」という言葉は正しくありません。集中力を持つ人の過ごす時間は、そうでない人の数十倍の密度を持っています。同じ長さの時間を過ごしたからといって、同じ時間を過ごしたとは限らないのです。


ではどうすれば集中力を鍛えることができるのか?

第二の心得 いかにして「集中」をするか


集中力をつけるための3つの心得です。


1.「基本の心得」・・・「体を鍛える」
2.「修練の心得」・・・「集中的に仕事をする」
3.「リラックス」をする

「体を鍛える」は、物理的にトレーニングするという意味だけではありません。「知的体力」をつけるということも意味します。
「知的体力」をつけるには、ひとつの仕事に対して、気を抜かずに全身全霊で取り組むことを続けることです。
逆にだらだらやっていると、「知的体力」は無残に低下していきます。


残業していつも無駄に帰りが遅くなっている人、いませんか?
一部の過酷な労働環境にいる方を除いて、残業する=仕事ができない人であることの証拠です。


この本には、短いけれど胸を刺す警句がたくさん載っています。その内容はタイムマネジメントにとどまらず、仕事全般、そしてこれからの人生を考える上で非常に役に立ちます。


この本の最後に書かれている部分を引用します。


気がつけば、無為に時を過ごしてしまう。

そして、その無為に過ごした時を悔いる。

それは、なぜでしょうか。

「努力」が足りないからでしょうか。

そうではありません。

それは、

「努力」が足りないのではない。

「覚悟」が足りないのです。

〜中略〜

「なぜ、時間を生かせないのか」という問いは、究極、
「いかに生きるか」という問いに他ならない。



すべての生きる人々へ贈りたい、そんな一冊です。

【評価】

【星5つ★★★★★】・・新書の最高ランク。読まないと損するレベル。

【評価の理由】

私自身、この本には大きな影響を受けました。今日またこの文章を書くにあたって読み返してみて、いかに自分が時間を無駄にしてるかを反省したところです。

すべての人に、お勧めします。

なぜ、時間を生かせないのか―かけがえのない「人生の時間」に処する十の心得
田坂 広志
PHP研究所
売り上げランキング: 184682
おすすめ度の平均: 4.0
3 集中力で時間の「密度」を高めよう
4 仕事を「かけがえのない人生の時間」にするための心得を説く
4 かけがえのない人生をいかに生きるか
4 引用したい言葉がてんこ盛り
4 時間を活かすための問い方を学ぶ。

No.65 『知的複眼思考法』 苅谷剛彦

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)
苅谷 剛彦
講談社
売り上げランキング: 1943
おすすめ度の平均: 4.5
5 「比類のない」本
4 よりよき社会のためにこそ必要とされる思考
5 本書から得たもの
5 自分の力で考えるための訓練に良い
4 ロジカルシンキングの言葉を使わずにここまで書いているのがスゴイ

著者と本の紹介


著者の苅谷剛彦さんは、東京大学大学院教育学研究科の教授です。社会学も教えておられる方ですね。
今日の一冊は、日本の教育について考察してこられた著者が、「物事の考え方」について語ったもの。

情報が氾濫し、何が本当なのかわからない時代において、「知的複眼思考」は必ず身に付けるべきものだと思います!

本の内容

【目次】

序章 知的複眼思考法とは何か
第1章 創造的読書で思考力を鍛える
第2章 考えるための作文技法
第3章 問いの立てかたと展開のしかた―考える筋道としての問い
第4章 複眼思考を身につける

以前『“考える”とはどういうことか?』という本をご紹介しましたが、あちらは思考の一環としての論理について哲学的に考察するものでした。この本は、具体的な「思考の仕方」について書いています。

著者によれば、「知的複眼思考法」とは、「ありきたりの常識や紋切り型の考え方にとらわれずに、ものごとを考えていく方法」です。おそらく、内容的にはクリティカルシンキングとほぼ同じものかと思われますが、クリティカルシンキングは問題解決に重きを置いているのに対し、知的複眼思考法は、基本的な物事の考え方を身に付けることを主眼においています。ですので、今までクリティカルシンキングにふれたことがないという方には、とてもいい教材になるかと思います。
今「教材」と書きましたが、この本は思考法の練習のための具体的な問題と解説がついており、非常に分かりやすく考え方を身に付けることができます。


この本のメッセージを敢えて一言で表すのなら、こうでしょう。


「当たり前を、疑え。」

私たちは「常識」という言葉をよく使います。なぜなら、「常識」は非常に楽だからです。「常識」に従って行動していれば、誰にも非難されません。何も考えずに行動することができます。
しかし、「なぜそれが常識なの?」と考えてみると、実はまったく理由のないものだったり、「今までそうだったから」という理由しかなかったりします。


著者は、授業の始めに「おもひでぽろぽろ」のビデオを見せるそうです。このビデオの中で分数どうしの割り算が、どうして割る方の分数の分母と分子をひっくり返してかければ答えが出てくるのか、という話が出てきます。
これについて「なぜ分母と分子をひっくり返せばよいのか」というテーマで、受講生に書いてもらいます。
著者は解答用紙を回収し、用紙の欄外にA・B・C・Dと書いて返却します。

すると、Aがついている受講生は喜び、Dがついている受講生は少し落ち込む様子を見せます。

そこで、著者はこういいます。



「ところで、その紙に書いてあるAとかBとかCって何だと思う?」



受講生は不思議な顔をしながら、「成績ですよね」といいます。


「成績って誰がいいました?ただのアルファベットですよね」と、著者。
そう、受講生は長年の学校生活の中で先生からは必ず「評価」をもらえるということを知っており、ただの記号であっても意味があるものだと無条件で考えてしまうのです。今まで「あたりまえ」と考えてきたことの根底にあるものについて考えてもらう。これが著者の狙いです。

「常識」は、いつの間にか私たちの思考に忍び込んできます。そして、頭は「当たり前」と考えていますから、なかなか自分では常識にとらわれていることに気づけません。


この本は批判的な読書の仕方や新聞の読み方、文章の書き方などを丁寧に論じてくれています。
情報化社会の中、さまざまな情報や考え方があふれていると、人間はやはり楽な方に楽な方に考えてしまいます。

自分の「考え方」を鍛えたい人には、是非読んで頂きたい一冊です。


【評価】

【星5つ★★★★★】・・新書の最高ランク。読まないと損するレベル。

【評価の理由】

取り扱っている問題が本質的な「物事の考え方」についてであること、内容が豊富で何度も読み返せるものとなっていることから多くの人の役に立つと感じましたので、星5つとしました。


知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)
苅谷 剛彦
講談社
売り上げランキング: 1943
おすすめ度の平均: 4.5
5 「比類のない」本
4 よりよき社会のためにこそ必要とされる思考
5 本書から得たもの
5 自分の力で考えるための訓練に良い
4 ロジカルシンキングの言葉を使わずにここまで書いているのがスゴイ

No.64 『もういやだ!この疲れた心を休め、甦らせてくれる心の専門家50人』

もういやだ!この疲れた心を休め、甦らせてくれる心の専門家50人

三楽舎プロダクション
売り上げランキング: 26460
おすすめ度の平均: 5.0
5 心の病を抱える人にとって光明が射す一冊

著者と本の紹介


三楽舎様より献本御礼。


ああ、この一言が言いたかった(笑)
実は初献本でございます。


さて、この本はタイトルからわかるとおり、心理カウンセラーを紹介するものです。弁護士や医者もそうなんですが、いい専門家を探すのはなかなか難しいもの。特に心理カウンセラーは日本ではあまり利用されていませんから、口コミで探すのもほぼ不可能です。

心の病を抱える人にとって、この本は迷路を抜け出す糸口になるかもしれません。

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No.63 『ビジョナリーカンパニー』 ジェームズ・C・コリンズ

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
ジェームズ・C. コリンズ ジェリー・I. ポラス
日経BP
売り上げランキング: 809
おすすめ度の平均: 4.5
5 経営学ここに極まり
5 時計をつくる
5 経営を考える人にとって必読の書
5 永続して発展する組織に共通する特徴とは
5 経営学の先入観を覆した名著

著者と本の紹介


本書は15年前に出版されて以来、各国で翻訳されてベストセラーとなりました。今でもビジネス書のランキングでは必ず顔を見せる本です。
スタンフォード大学の経営大学院で教鞭を執っていたジェームズ・C・コリンズの調査プロジェクトは、設立年が平均で1897年という、真に卓越した企業を対象として設立から現在までの軌跡を詳細に調べ上げました。さらに同じような機会がありながら同じようには成長できなかった企業と徹底的に比較し、真に卓越した企業とそれ以外の企業との違いを探った結果をまとめたのが本書です。

かつて人類が経験したことのない不況に見舞われ、技術革新もスピードアップしている現在、設立から10年以上存続し続ける企業はすべての企業の1割以下に過ぎません。これは著者が「はじめに」で書いていることですが、もし会社の存続を願うなら、この本はすべての経営者、経営幹部のみならず、会社という組織で働く人間も読むべきです。


「ビジョナリー・カンパニー」という言葉を世に広めたこの本、少しだけ紐解いてみましょう。

本の内容

【目次】

第1章 最高のなかの最高
第2章 時を告げるのではなく、時計をつくる
第3章 利益を超えて
第4章 基本理念を維持し、進歩を促す
第5章 社運を賭けた大胆な目標
第6章 カルトのような文化
第7章 大量のものを試して、うまくいったものを残す
第8章 生え抜きの経営陣
第9章 決して満足しない
第10章 はじまりの終わり

まず、「ビジョナリー・カンパニー」とは何でしょうか。


著者は以下の基準を挙げます。

・業界で卓越した企業である。
・見識のある経営者や企業幹部の間で、広く尊敬されている。
・わたしたちが暮らす社会に、消えることのない足跡を残している。
最高経営責任者(CEO)が世代交代している。
・当初の主力商品(またはサービス)のライフ・サイクルを超えて繁栄している。
・1950年以前に設立されている。


本書でビジョナリー・カンパニーとして紹介されているのは、ディズニー、ボーイングソニー、フォードなどです。これらの企業に共通する特徴は、かつて深刻な危機に陥ったことがあること。そしてそこから奇跡的な立ち直り方をしていることです。
これらの企業には確固たる経営理念があり、そしてこれが重要なことですが、経営理念は額に飾られているだけではなく、会社の組織そのものや従業員に浸透しています。危機の際には組織のすべてを変える覚悟で臨んできた結果、これらの企業は現代まで存続してきました。しかしこのときも変えなかったのが、経営理念、つまり企業の基礎となる信念です。


例として3Mという企業をご紹介しましょう。

3Mはおそらく日本ではそれほど知られていない企業かと思います。元々は「ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング」という社名でした。名前からわかるとおり、3Mは最初はミネソタで鉱業関係の仕事をしている会社でした。研磨剤原料の採掘をしていたのです。しかしこの事業は大失敗し、何でもいいから会社が存続する道はないかと模索したところ、鉱業からサンドペーパーを作る会社になりました。

そして現在、3Mは世界有数の電気・化学素材のメーカーとなっています。ちなみに皆さんご存じの「ポストイット」は3Mの登録商標です。3Mの基本理念のひとつは「革新 ― 「新商品のアイデアを殺すなかれ」」です。革新を続けた結果、鉱業の会社であった3Mは基本理念以外をほとんど捨てて全く違う会社になったのです。しかし基本理念だけは、絶対に捨てませんでした。


もうひとつ例をご紹介します。

1911年に3つの会社が合併して設立された「コンピューティング・タブレーティング・レコーディング・カンパニー(CTR)」という会社がありました。タイムレコーダーとはかりを扱う中堅企業で、1921年に不況のあおりを受けて倒産寸前に追い込まれました。
何とか生き残ったその3年後、経営者はもっと偉大な企業になろうと社名を「インターナショナル・ビジネス・マシンズ」に変更しました。

この会社の設立当初からの基本理念は以下の通りです。

・従業員に十分に配慮する
・顧客を満足させるためには時を惜しまない
・最善を尽くす


その後この会社の製品が時代遅れになって再び危機に瀕したこともありましたが、そのたびに立ち直り、今はグローバルに展開する巨大企業となっています。

この会社は「International Business Machines」=IBMです。



冒頭でも申し上げましたが、この本は経営陣はもちろんのこと、会社員の方はぜひ読むべき本です。朝礼で社訓を唱和する会社などはあると思いますが、ただ声を出すだけになっていませんか?

「ビジョナリーカンパニー」として永続的に社会に貢献する組織を作るため、この本はきっと役に立つことと思います。


【評価】

【星Max★★★★★+★】・・別格。買わないと、人生損するレベル。
読まなくても、「本棚に置いておくだけで」必ずあなたの役に立つ本。
100万部以上・書評本が紹介・成功者の推薦等の条件をクリアーした本。

【評価の理由】

多くの書評でも高評価を受け、長年にわたって成功者から推薦されているため、文句なしで星Maxです。


ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
ジェームズ・C. コリンズ ジェリー・I. ポラス
日経BP
売り上げランキング: 809
おすすめ度の平均: 4.5
5 経営学ここに極まり
5 時計をつくる
5 経営を考える人にとって必読の書
5 永続して発展する組織に共通する特徴とは
5 経営学の先入観を覆した名著