No.69,No.70『僕は君たちに武器を配りたい』『武器としての決断思考』瀧本哲史
御無沙汰しております。
もともと本ブログはブログ名と同名のメールマガジンのバックナンバーを保存しておく場所で、多忙のため中断しておりましたが、素晴らしい本と出会えたのを機に2年ぶりに復活いたしました。
メルマガは休刊しましたが、これからは不定期に本ブログの更新をしていこうと思います。
さて、重い腰を上げざるを得なかった『僕武器』『武器決』、この2冊をまとめて紹介します。
本書を読まなくてもいい人
今後どんな社会変動があっても食っていけるだけの財産を築き上げた人
自分で自分のことを決めることが死にそうなくらいに苦痛な人
人のやらないことをやるなんてあり得ないという信条の持ち主の人
以上に該当しないすべての人は、この2冊を読みましょう。
瀧本 哲史¥ 1,890 |
瀧本 哲史¥ 861 |
著者と本の紹介
著者は東大法学部卒業後、現在債権法改正に関わっておられる内田貴先生の最初の助手となり、その後助手の道を蹴って名門戦略コンサルティングファームのマッキンゼーに転職、独立してからは企業再建を手掛けたりエンジェル投資家として活躍したりしている人です。
現在は京都大学で「意思決定論」や「起業論」の講義も担当されています。
(twitterID=@ttakimoto)
そんな著者が『僕は君たちに武器を配りたい』(以下、『僕武器』)と『武器としての決断思考』(以下、『武器決』)で伝えたいのは、資本主義社会で生き抜く武器としての教養と考え方の大切さ。
これから激動する社会をサバイバルするための武器を手に入れたい人は必読!
本の内容
『僕武器』は資本主義のルールをシンプルにまとめ、資本主義社会で生き残るための武器=リベラル・アーツの意義について、
『武器決』はディベートのルール(著者は全日本ディベート連盟代表理事でもあります)を用いて、何をすべきか迷った時に決断する方法論をわかりやすく説明しています。
前者は資本主義社会における「武器」の重要性、後者はその武器(のうちのひとつ)の具体的な使い方を解説していると言えるでしょう。
資本主義は、人間の「より良いものをより多く欲しい」「同じものなら安いものがいい」という合理的な欲求をそのシステムの中に組み込んでいます。そのような社会においては、悪いもの=人に必要とされないものや同じもの(=コモディティ)で高いものは競争で淘汰されていきます。これは人間でも同じこと。他人に必要とされない人材や、誰でもできることしかできないのに給料だけ高い人材はこれからの社会で生き残ることはできません。
では社会に必要とされ、コモディティとして買い叩かれない人材になるにはどうしたらいいのか?
それこそがリベラル・アーツ=社会において自由に生きるための知識を身につけることであり、また、潜在的な需要を嗅ぎつけてそのニーズを満たす行動を実行する決断思考でしょう。
『僕武器』『武器決』は、自らの決断で道を切り開いてきた著者によるこれからの社会を生き抜くガイドブックと言えるでしょう。
実はぼくは著者と何度かお会いしたことがあります。初めてお会いしたのは去年の9月、ぼくが主催したツイッターのオフ会(京大のそばにある「串八」で串を食べまくろうぜオフ)でのことでした。頂いた名刺には名前とメールアドレスだけ。肩書きも所属も一切書かれてない真っ白の名刺は、著者が手に入れた自由を象徴するようで印象的でした。
さて、『僕武器』『武器決』を買うか買わないかはあなたの決断次第。
あなたは武器を手に取りたいか?
【評価】
【星5つ★★★★★】・・新書の最高ランク。読まないと損するレベル。
【評価の理由】
『僕武器』は資本主義のシステムを非常に明快に解説しており、そのようなシステムの中でどうすればいいかわかりやすい内容となっていること、『武器決』は意思決定の方法論を体系的かつ実践的に身につける内容となっており、他に類を見ない書籍となっているので、☆5つとしました。
瀧本 哲史¥ 1,890 |
瀧本 哲史¥ 861 |