No.36 『脳を活かす勉強法』 茂木健一郎
こどもの教育方法のひとつとして良いかも
シンプルで大切なことを教えてもらった
私的には、なるほど、という納得の本
わかりやすいが、納得しにくい
著者と本の紹介
著者はNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」などでおなじみ、茂木健一郎さん。
ざっと経歴をご紹介すると、東大理学部と法学部を卒業し、東大大学院理学系物理学専攻博士課程修了。その後理化学研究所とケンブリッジ大学を経て現在はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーと東京工業大学大学院連携教授・東京芸術大学非常勤講師。
一言で説明するなら、「脳科学者」でしょうか?
てか、何で法学部もでてるんでしょうか^^;
この本はそんな茂木さんが、自身の体験を交えながらいかに効率よく勉強するかを書いた本。
勉強するときに働くのは脳ですから、勉強法において脳科学者の理論に基づく説明というのは非常に役に立ちますよ!
本の内容
茂木さんは、まず学習するためには脳の特性を知り、自分の脳と上手に付き合うことで学習そのものを楽しめるようになる「仕組み」が必要だ、といいます。
その「仕組み」とは、
1.「ドーパミン」による「強化学習」による脳の強化
2.「タイムプレッシャー」による脳の持続力の訓練
3.「集中力」を身につける
この本は以上の3つの仕組みを身につけるために、脳の仕組みから解説したものです。
【目次】
第1講 脳は「ドーパミン」と「強化学習」が好き
第2講 「タイムプレッシャー」が脳の持続力を鍛える
第3講 「瞬間集中法」で勉強を習慣化させる
第4講 茂木健一郎流「記憶術」
第5講 茂木健一郎の「読書のススメ」
第6講 脳のコンディションを把握しよう
第7講 自分を変える「一回性」に巡り会うには
第8講 偶有性がさらなる脳の発達を促す
よく勉強本には「小さなことを誉めてやる」といったことが書かれています。勉強本に限らず、多くのビジネス書にも書かれていますね。たとえば自分が決めた「いいこと」をやれば小さなご褒美をあげる、とかそういうやつです。
これがなぜ脳にいいのか?
脳の働きの本質は自発性です。すなわち、脳は強制されるということをネガティブに捉えます。
逆に、脳はポジティブな体験をすると、そのような体験をいいものと捉えて、自分からその体験を繰り返そうとします。
この「成功体験」こそがもっとやりたくなるために必要なのです。
最も、脳は飽きっぽいので、「できること」を続けても喜びません。
脳に快感を与える神経伝達物質である「ドーパミン」は、できるかどうか分からないものを達成したときに大量に分泌されます。
ドーパミンが分泌されれば、その行動をまたしたくなる。そしてその行動のちょっと難しいものを達成すると、またドーパミンが分泌される・・・
大切なのは、このような「ドーパミンによる強化サイクルが回るかどうか」です。
ここさえ押さえてしまえば、あとは応用するだけ。
すなわち、いかに「成功体験」を作り出すか・どうやって達成感によりドーパミンを分泌させるかを考えることです。
具体的な方法は、本書に書かれていません。しかしこういった原理というものが分かっていれば、自ら考えることもできますし、うまくいかないときにその理由を自分で分析することができます。
「タイム・プレッシャー」というのも、とても役に立つ技術です。私もこれはよく使います。
どうやったら勉強したくなる脳にできるのか?
その方法を知って勉強したいあなたに、この本はぴったりです!
こどもの教育方法のひとつとして良いかも
シンプルで大切なことを教えてもらった
私的には、なるほど、という納得の本
わかりやすいが、納得しにくい