No.54 『労働法のキモが2時間でわかる本』 石井孝治
労務管理はこれから、絶対に必要なスキルです。この本は、最低限の知識を身につけるのに最適です。
働く人みんなの法律、知っていて損はしない!
題名に偽りなし
知ってて損はない!
著者と本の紹介
著者の石井孝治さんは、人事労務コンサルタントで社会保険労務士の方。
この本は労働関係のプロフェッショナルである著者が労働法のキモだけを紹介するものです。
労働法の基礎はこの本だけで十分かもしれません。
本の内容
【目次】
1章 「ウチは美人を採用します」そんなのアリ?◎募集・採用
2章 その給料、最初の話と違うじゃん◎労働契約
3章 サービス残業と持帰り残業どちらがお得?◎労働時間・時間外労働・割増賃金
4章 休憩時間にパチンコはマズイのか?◎休憩時間
5章 接待ゴルフは休日出勤になるのか◎休日
6章 残業が多いヤツは管理職にしてしまえ!?◎管理職の労働時間等
7章 釣り三昧のあの人がクビにならない理由◎年次有給休暇
8章 ウチの会社は「完全歩合給」ですけど何か◎賃金支払い
9章 労働基準法は女性の味方◎女性雇用のルール
《年少労働者保護のルール》
10章 社長が金庫にしまう秘密のモノ◎就業規則
11章 「クビだ!」と言ったら負け◎解雇
12章 労働基準監督署の調査の話
本の構成は田中建設株式会社という架空の会社を舞台として、新人OLのナナが労基法無視しまくりの社長と物語を繰り広げていくストーリー形式になっています。
テーマは上の目次に掲げた通り。
会社員が気になるテーマはほとんどが網羅してありますね。
個人的に押さえておいた方がいいと思うポイントは以下の通りです。
・残業時間の算定基準は会社の定時(所定労働時間)ではなく、法定労働時間
・週休2日は労働法では定められていない。(「毎週少なくとも1回の休日」だけ)
しかし法定労働時間の週40時間を守ろうとすると、休みを1日にして6日働くより、休みを2日にして5日働く方が従業員にとっても楽
・社員旅行も、旅行中に業務に必要な行事が含まれている場合、その行事に参加している時間は勤務時間になる
・管理職には労働基準法の労働時間・休憩・休日の規定は適用されないが、「名ばかり管理職」には適用される。ただし深夜業・年次有給休暇・深夜業・産前産後の休業の規定については管理職にも適用される。
・就業規則について
・解雇のルール
不景気に突入していわゆる「派遣切り」(法的には雇い止めとか派遣契約の解除といいますが)が頻発し、残った正社員も一層の残業を強いられています。
しかしだからといって会社は労基法を中心とする労働法を守らなくていいというわけではありません。私自身、会社の経営に携わる者ですから労働関係の法律を守らなければならない立場にあります。
本書は労働法を守らなければならない立場にある経営者はもちろん、労働法で守られている会社員の皆さんに、ぜひ読んで頂きたいと思います。
手元に置いておけば、労働関係で疑問に思ったときにきっと役立つでしょう。
労務管理はこれから、絶対に必要なスキルです。この本は、最低限の知識を身につけるのに最適です。
働く人みんなの法律、知っていて損はしない!
題名に偽りなし
知ってて損はない!