No.19 『儲かる会社にすぐ変わる!社長の時間の使い方』 吉澤大
あなたの組織にはまれば、よし!
耳が痛いことだらけ・・・
仕事観が変わりました。
経営者は是非読んでほしい1冊!
著者と本の紹介
著者は税理士と中小企業診断士の資格を持ち、現在は吉澤税務会計事務所にて税務・資金調達に加え、様々な分野でのコンサルティングを手がける吉澤大さんです。
多数の企業の社長さんと接してきただけあって、客観的に冷静に社長業はどうあるべきかという分析がかなりしっかりなされているという印象です。また、税理士さんですから会計的な観点から利益を出すにはどうすればよいかについても書かれています。
弊社の社長にもぜひ実践して欲しいことばかりが書いてある(笑)、そんな本です。
本の内容
【目次】
第1章 なぜ、社長の時給は下がりつづけるのか?
第2章 社長は昼にランチを食うな!
第3章 まず、効率よく稼ぐ手法を考案・選択する
第4章 できる社長は「他人にやってもらう」しくみ作りに時間をかける
第5章 「人脈形成」「情報・知識習得」も時間効率よくこなす
第6章 自由に動ける「社長ならでは」の時間管理術
社長は昼にランチを食うな!
これは社長のみならず、会社員すべてに当てはまることだと思います。
どういうことかというと、「途中で仕事を中断すると、再開してトップの状態の集中力に再び持っていくまでの間に非常にロスが生まれる」ということです。
本書のデータによると、「途中で仕事を中断したときに、またもとの状態に戻すのには25分かかる」そうです。
さらに最も混んでいる昼時にランチに行くのと時間をずらして少し空いたときに行くのとでは、15分くらい変わるかと思います。つまり、合計で40分変わってくるのです。
年間の労働日数を245日(休暇120日)とすると、245日×40分=約163時間!
1日8時間労働としても、20日以上の時間に匹敵します。
以上から取り出すべき教訓は、
・仕事はきりがいいところまでやる
・仕事は時間制限を設けて(=昼食の時間を決めて)やる
・時間にこだわることで、「一時間当たりの稼ぎ」を意識する
ということです。
この最後の「一時間当たりの稼ぎ」を意識するということはとても大事で、先日紹介したNo.14 『儲かる会社の作り方』でも、
「営業利益率が高い商品」を、「営業利益率の高いお客様に売る」ことが大切
と書かれていましたように、自分が1時間当たりにした仕事にいくらの価値があるのかを常に把握し、価値の高い仕事を優先してやるということが強調されています。
社長が優先的に使うべき時間
さて、ここからが本題です。
著者は「社長が優先的に使うべき時間」として、以下の3つを挙げます。
1.効率よく稼ぐビジネスモデル、さらにそれを実現するための戦略・戦術を考える
2.いかにして他人にやってもらう仕組みを作るか
3.人脈形成と情報・知識習得
ここでは特に
2.いかにして他人にやってもらう仕組みを作るか
に注目しようと思います。
まず稼ぎを大きくするには、原価を引き下げる必要があります。しかし変動費は売上に応じて変動しますから、それほどてこ入れすることはできません。そこで「固定費を引き下げる」ことが必要になってきます。
「固定費を引き下げる」とは、すなわち「労働生産性を上げる」ということ。
そして「労働生産性をあげる」ための方法は、「マニュアル化」です。
マニュアル化というと、なぜか多くの人は敬遠しがちです。著者も「私がお客様に提案しても、非常に採用されにくいテーマのひとつ」と書いているように、どうも「マニュアル」という言葉にマイナスイメージを持っている人が多いのです。
しかしいいマニュアルというのは、労働生産性の向上に劇的な効果を発揮します。
「マニュアルに否定的なイメージを持ち、マニュアルを作ろうとしない人は、マニュアルというものが全く分かっていない」と申し上げてもいいかと思います。
この本のいいところは、「マニュアルのいいところ」と「いいマニュアルの作り方」が書いてあることです。
この部分だけでもこの本の元は十分すぎるほど取れるどころか、何倍にもなって返ってくるでしょう。
どこの会社でも社長というのはその会社で最も優秀な人材です。ちなみに弊社の社長はひとりで年間4000万くらいの売上にかかる仕事をこなしています。
この本は社長自身や社長と接する立場にいる人のみならず、会社で働くすべての人に読んでもらいたい本ですね。
あなたの組織にはまれば、よし!
耳が痛いことだらけ・・・
仕事観が変わりました。
経営者は是非読んでほしい1冊!